最終更新


最終更新 2023年4月17日
第123回職団戦に参加。直近の棋神戦開催結果を掲載

2012年12月1日土曜日

四間飛車研究

主に四間飛車の研究です。
書籍等から学んだことを含めて、整理することが目的。

==============================
======▪️45歩早仕掛け/42金型======
まずは後手42金と上がっている形の対策から。
書籍の都合上まずは振り飛車が先手の場合で考える。
(※ちなみに後手73桂が跳ねていない形で仕掛けてきたら57銀引きで優勢になる。)

ここで65桂の場合を考える。


【65桂→22角成→同玉→65飛→87角打】
ここでまずは飛車をぶつけることを覚える。
こんな明快なことであっても、そうするべきだということを
知っていなければ、結局実践では指すのに時間がかかる。

【85飛→同飛→同歩→76角成り→26桂打!!】
ここで必修の手筋は26桂打。
これは相手が42金型だから成り立つ手。
では相手が41金型だったらどうする?これが今回整理したい内容なんだけど、
まずはこの時の相手の応酬から整理する。

さて、後手が25銀打と桂頭の銀で対抗してきましたと。


ここではパッと37桂跳ねが頭に浮かぶかどうかがポイント。
まずはこれを覚えよう。
この後銀を手に入れたら81飛車打から責めてもいい。

もっと高度な考え方があって、いつでも銀は37桂と跳ねれば取れるんだから
あらかじめ81飛車打とぼんやり打っておくのも有力。
でもまずは銀を取りに行って棋理的に間違いはない。

======26桂に33銀======

さて、26桂に対して33銀打と桂跳ねを阻止してきましたと。
ここでまず考えたらダメなのは37桂跳ね。
44歩と守られてどうしようもない。
あと絶対35歩とかダメ。美濃囲いの急所だから。
よほどのことがない限り3筋は自分から突くもんじゃない。

ここからの方針は3つ。
①端攻め
②63歩打で形を乱す
③73歩の垂れ歩
どの方針であれ、81飛車打と打ち下ろして戦うことは変わらない。

①の端攻めでこんな形になったら最高だね。
でも①はいつでもはいるんだから、その前に綾をつけておこうというのが
②、③の考え。

======▲65銀に△77角成の場合======
さて、ここからは△77角成としてきた場合の変化を整理する。
まず先手が良くなる順は大きく2つ。
①77角成→同桂→65桂→同桂
②77角成→同桂→86飛

===①の場合===
相手が44銀と逃げたら…


 64角打。
次に△81飛車引きから▲73桂成りで良し。

もう一つ。44銀と逃げたら、
63歩→同金→64歩→同金
と2歩捨てて金を釣り上げて…

73角打。
同銀→同桂成→86飛車→64飛車
と金を取って勝勢。

①の場合のポイントは”64角打”を知っているかどうかと
”金を釣り上げて73角打”を知っているか。

===②の場合===
これは理解しておく必要がある。
それほど難しい流れではない。
63歩打→同銀→64歩打→72銀→74銀→62歩
→73銀→同銀→65桂→64銀→53桂成→同銀
そして最後に77角打!(飛車香取り)

ポイントは桂がいた場所に角を打ちが成立するまでの流れを読めること。

======△22角打の場合======

さて、本筋の△22角の場合を述べる。
当たり前だけど、桂を取られてはいけない。
(ここで▲55歩→△同角を入れるのはどこかで整理。)

というわけであたり前だけど、▲67飛車→△86飛車
さてここからが大事。
ここで▲74銀はOUT!
△66歩で飛車と銀が分断されるから。
全てに言えることなのかもしれないが、
飛車と銀は分断されたらNGということは覚えておくと指す指針になるかも知れない。

ということで、
▲63歩→△同銀→▲95角打


ここから
①△83飛車なら
▲84歩→△81飛→▲64歩→△72銀→▲74銀で優勢。
②△88飛車成なら
▲73角成→△77角成→▲同飛→△同龍→▲64歩で優勢。

というわけで本筋は
③△66歩打
ここから▲57飛車と逃げるのではなく、
単純に▲86角と飛車を取るのがポイント。


以下△67歩成り→▲64歩打→△72銀→▲82飛車打
ここで最後の▲82飛車が大事で、
普通▲71飛車だけど、それは△62金で辛抱されると意外と手がない。
よって、縦に利かすのではなく、横に利かす82飛車が勝る。

というわけでここから後手が88飛車打と攻め合ってくれたら
銀取って龍作ってと金作ってガジガジ攻めて勝ち。

というわけで△62金と守っても▲74銀から攻めてよい。

ここからは少し高度な戦いとなる。

後手は普通に攻め合ってもダメなのだから
△58と!とと金をただ捨てすることで、まずは美濃囲いを崩す。

そしてから62金と守る。

この後、普通に▲74銀と攻めあうと、
△89飛打→▲63歩成→△81歩打→▲84龍→△66角!
これが激痛。これが58ととただで捨てた効果。
後手が工夫したんだから、先手もなんか工夫しないといけない。

というわけでまずは▲63歩成とと金を捨てる。
これによって、△81歩を打たせないのが先手の工夫。

その後は
▲55歩→△同角→▲56銀と引く。
ここでの方針は戦いを長引かせることで自然とよくするという方針。

その後の一例でいえば
△22角→▲65桂→△同桂→▲同銀→△64歩打→45桂打
と絡んでいけばいい。
====================================
======▪️45歩早仕掛け/41金型(69金型)======
というわけで今度は居飛車側が68金と上がらない形を整理する。
今度は書籍の都合上、居飛車側が先手番となる。

さて、まず一言で言ってしまうと69金型には玉頭銀が有力。

ということで、”▲46歩の時点で△54銀”
とまずは玉頭銀を狙うのことをまず覚えることがポイント。

さて、ここからの狙いを考える。
先手から考えられる手は大きく3つ
①▲55歩
②▲37桂
③▲38飛
それぞれ説明する。


===①▲55歩===
ここからの対応は以下のとおり
△65銀→▲35歩→△同歩→▲38飛→△45歩

ということで先手は3筋から軽く動いてくる。
▲38飛車と回った時に、軽く△45歩とついてさばきに行く。
これは振り飛車らしいっちゃらしい。

ここで▲45同歩なら
△同飛車→▲46歩→△55飛車と歩を取って後手良し。
駒が十分働いている。
また▲37桂なら
△76銀→▲45桂→△22角で、先手は攻めきれない。

というわけで▲35飛→△46歩→▲45歩でテーマ図。

ここで▲45歩ではなく、▲24歩だったらどうするか。
これは知っていないと指せない。読んでさすのは至難の技だが、
知っていると大きい助けになる。

△34歩打→▲同飛→△44飛→▲同飛→△同角→
▲41飛打→△35角→▲25歩→△42飛打

ということで結果図となり、後手が指せる。
何をしているかというと、振り飛車らしく飛車を捌いて
先手の浮いている銀を狙うという方針。

これを実践で自力で指せたら相当すごいが、
相手がむりやり破りに来たら飛車をどうぶつけられるか、
どうやって交換できるかを考えるというのは学び。

ということで▲45歩の時点に戻る。
△76銀→▲46銀→△95歩→▲同歩→△98歩→▲同香→
△97歩→▲同香→△96歩→▲同香→△85銀

玉頭銀を生かして95歩から端攻めを決行する。
さて、ここから
▲32歩→△96銀→▲31歩成→△84香打→▲66角

というわけで結果図。
ここから先手は右にするする逃げちゃうので
結果として捕まらない。
何が言いたいかというと、玉頭銀から端攻めというのはあまり良くないということ。

ということで時代は▲38飛まで戻る。
ここで振り飛車らしい△45歩はダメだった。
ならどうするか?

△76銀→▲35飛→△65銀と一歩取って戻る。
なんで銀が戻るかというと、
将来35の飛車と77の歩で挟まれて殺されたくないから。

ここからの応手は最後がポイント。
▲66歩→△74銀→▲54歩→△同歩→▲97角→
△32飛→▲24歩→△同歩→▲22歩→△31歩!!

△31歩、これは知らないと差せないが、
根底にあるのはどうやって飛車角を交換するかということ。
結局のところ振り飛車側はどう捌くかが大事。

▲21歩成→△42角→▲32飛成→△同歩→▲42角成→△同金
でテーマ図。

ここから
▲11と→△27飛→▲47角→△28飛成で
桂香得の先手 VS 玉頭が薄く、歩切れ相手となった後手
という構図になる。

これならまだ勝負になるだろう。
というのが①55歩の変化となる。

===②▲37桂===
というわけでこの局面で先手が37桂と跳ねたのがこの図。
△65銀とまぁ玉頭銀として出る。
△65銀→▲45歩→△76銀→▲24歩→△同歩→▲44歩

ということで本図に至る。
さて、ここで振り飛車として何を狙うかの方針を考えると
先手の桂頭が弱いと考えるのが自然な発想。

ということで
△35歩→▲77歩→△65銀→▲45桂→△44角→▲24飛


ここ▲77歩のところで▲26飛の場合

△44飛→▲同角→△同角→▲77歩→△36歩→
▲同飛→87銀成→▲同玉→△54角
で王手飛車が決まる。知っておいて損はない。

というわけで
△35歩→▲77歩→△65銀→▲45桂→△44角→▲24飛
となったのがテーマ図。

ここからの方針としては、先手は後手の桂を狙っているので、
こちらも△54銀と先手の桂を取りに行く。

さて、先ほどの形から
△54銀→▲46歩→△33桂→▲同桂成→
△同角→▲23飛成→△44角で上図。

次に△22飛が狙い。
やっぱりここでもどうやって飛車を交換するかがポイント。
先手の角は使えなくなっているので
その分龍を作られたからって大した問題ではない。

でもこれは形勢不明ちゃ不明。でも後手が指しやすいかな。

さて、時は下記の図まで戻る。
ここから先ほどは桂頭を狙ったが、
玉頭銀なんだから、端攻めを狙うというのも一つの方針になる。


ということで△95歩→▲同歩→△97歩→▲77歩
もちろん銀は取られちゃいけない。

ということで
△85銀→▲45桂→△44角→▲24飛→△22飛→▲23歩→△42飛
と戻って上図。

ここから▲46銀なら△33桂だし
▲34飛なら△26角→▲46歩→△44飛
でやっぱり大駒交換を望む。

▲46歩が本筋だが、△26歩と垂らして▲34飛をけん制したりする。
ま、形勢不明だし、長い戦いになる。

②37桂の対応についてはこんなところ。

===③▲38飛===
ということで最後に▲38飛と角頭を狙ってきた場合。
端的に言うと、ここで△45歩はあまり芳しくない結果となるので
一旦△44銀と戻る。
△44銀→▲35歩→△同歩→▲同飛→△32飛→▲45歩で次図。

ここで△45同歩ととるのが後手の狙い。

△45歩→▲44歩→△22角
でやっぱり飛車角交換を狙う。

さすがに大駒交換は後手の思うツボ。

ということでここから
▲45飛→△34銀→▲47飛→△42飛で上図。

まあ、それなりに戦えるかなという感じ。

以上が45歩早仕掛けのたい69金型の対策となる。
結論からいえば、結局のところ長引いたら大駒をどう交換するか?
というのが指す方針になるということ。